『毛抜き天井』は上げ止まった、『毛抜き底』は下げ止まったことを表す相場のサインです。パターンはいくつかありますが、そのサインの意味から考えると、実際に取引に活かせるパターンは2つしかありません。
今回は毛抜き天井・毛抜き底の基本から使い方まで詳しく解説していきます。
毛抜き天井・毛抜き底の基本
毛抜き天井とは?
上昇後の高値圏で、2本のローソク足の高値が揃った組み合わせが『毛抜き天井』です。
高値圏での反発を表していますので、「もうすぐで上昇トレンドが終わるかも」「下降トレンドに転換するかも」という前兆のサインになっています。
※ 今回の解説の中の図は、青のラインがチャート上に引いた水平線、白抜きのローソク足が陽線、黒に塗りつぶしたローソク足が陰線を表しています。
毛抜き底とは?
下落後の安値圏で、2本のローソク足の安値が揃った組み合わせが『毛抜き底』です。
毛抜き天井とは逆に安値圏での反発を表していますので、「もうすぐで下降トレンドが終わるかも」「上昇トレンドに転換するかも」という前兆のサインになっています。
ちなみに、毛抜き天井・毛抜き底は、いずれもその形が眉毛などを整える「毛抜き」に似ていることが、名前の由来になっているようです。
毛抜き天井・毛抜き底のローソク足の組み合わせ
「陽線と陽線」「陰線と陰線」
毛抜き天井・毛抜き底のローソク足の組み合わせは、特に決まりはありませんが、「陽線と陽線」「陰線と陰線」は、FXの相場ではあまり出現しません。
なぜなら、FX相場は流動性が高いために「前のローソク足の終値=次の始値」となることが多いからです。
図のように同じローソク足の組み合わせで『毛抜き天井』や『毛抜き底』が現れた場合には、価格が一瞬で大きく動いたという判断になります。
ですから、このようなパターンが現れてしまう相場は、取引には適していないと考えられますので、取引を控えて様子見をしたほうが無難です。
この辺の考え方は「はらみ足」「包み足」も同じですので、合わせて参考にしてみてください。
⇒【FXのローソク足 パターン②】はらみ足と包み足の使い方
「陰線と陽線」の毛抜き天井、「陽線と陰線」の毛抜き底
- ①:高値圏での「陰線と陽線」の毛抜き天井
- ②:安値圏での「陽線と陰線」の毛抜き底
この2つも毛抜き天井・毛抜き底ですが、これらはトレンド終了や転換の前兆にはなりません。なぜなら、①は高値圏で下がってから上がっており、②は安値圏で上がってから下がっているからです。
①も②も1本目のローソク足では「反発した」と判断できますが、2本目ではどちらも元のトレンド方向に戻っています。
このパターンの場合は特に何かのサインというわけではなく、「ライン際で売りと買いが拮抗している」と考えておきましょう。
「陽線と陰線」の毛抜き天井、「陰線と陽線」の毛抜き底
前兆のサインとして使えるのは、最初にお伝えしたこの2つだけです。
- ①:「陽線と陰線」の毛抜き天井
- ②:「陰線と陽線」の毛抜き底
①は高値圏で上がってから下がっており、②は安値圏で下がってから上がっています。どちらもラインで反発している形になっていますよね。
ですから『毛抜き天井』と『毛抜き底』は、この2つさえ覚えてしまえばよいわけです。
次からは「この形をどう取引に使っていくか?」について解説していきます。
『毛抜き天井』と『毛抜き底』の使い方
トレンド中
トレンド中に表れた「毛抜き天井」と「毛抜き底」は利食いの判断に使っていきます。
つまり、反発したことでトレンド終了の前兆のサインになっていますので、「もうこれ以上伸びないかも」と判断して利食いをするわけです。
ちなみに、逆張りでエントリーすれば、大きく利益を獲得するチャンスですが、「毛抜き天井」と「毛抜き底」はわりと多く現れる形です。
その都度エントリーしてしまえば、エントリー回数と損切りだけが多くなってしまいますので、トータルで利益を残すのは厳しいでしょう。
レンジ中
「毛抜き天井」や「毛抜き底」で逆張りエントリーを狙うなら、レンジ中のほうが良いです。
レンジ内のエントリーなら、ラインを抜けたら躊躇なく損切りができますし、レンジの幅も決まっていますので、利食いの目安も分かりやすいでしょう。
まとめ
今回は『毛抜き天井』と『毛抜き底』について解説してきました。パターンはいくつかありますが、実際にトレンド転換の前兆を示すサインになるのは、この2つだけです。
- 高値圏で現れた「陽線と陰線」の毛抜き天井
- 安値圏で現れた「陰線と陽線」の毛抜き底
『毛抜き天井』は上げ止まった、『毛抜き底』は下げ止まったことを表すサインですので、他の組み合わせには惑わされずに、この2つだけに注目していきましょう。