円高や円安という言葉はよく聞きますが、意味が覚えづらいですよね。「どっちがどっちなのか?」混乱してしまう方も多いでしょう。
しかし、円高と円安は「具体的にどんなメリット・デメリットがあるのか?」を考えてみると理解しやすくなります。
今回は円高と円安の意味やメリット・デメリットについて、具体的な例を用いて分かりやすく解説していきます。
円高の意味とは?
たとえば、1ドル=100円から80円に下がった時。このような場合を「円高になった」と言います。
以前は、1ドル得るために100円必要だったのが、80円で交換できるようになっています。円の価値が高くなったか?低くなったか?で考えると、高くなっていますよね。
ですから、1ドル=100円から80円に下がった時は『円高』なのです。
円高のメリット・デメリット
円高になると、日本人にとっては「輸入品が安くなる」というメリットがあります。
1ドルで購入できるバナナがあったら、以前は100円で購入していたのが、80円で購入できるようになります。
「円高還元セール」のような広告を見たことがある方も多いでしょう。それはつまり「輸入品を安く販売しますよ」ということなのです。
しかし、海外に輸出する商品は、円高になると利益率が低くなるというデメリットがあります。
1ドルで売っていたリンゴの場合は、以前は100円で売れていたのが、80円になってしまいます。
売価が20円も値段が下がってしまえば、利益率は非常に悪くなってしまいますよね。かと言って、その分を値上げすれば、売れなくなってしまうでしょう。
ですから、円高で円の価値が高くなるとは言っても、日本の輸出企業にとっては、円高はあまり良いことではないのです。
円安の意味とは?
円高の反対が、円安です。
1ドル=80円から100円に上がった時。このような場合を「円安になった」と言います。
以前は、1ドルを得るのに80円で済んでいたのが、100円かかるようになってしまいました。円の価値が高くなったか?低くなったか?で考えると、低くなっていますよね。
ですから、1ドル=80円から100円に上がった時は『円安』なのです。
円安のメリット・デメリット
1ドルで輸入していたバナナの場合は、以前は80円で済んでいたのが、100円かかるようになりました。
ですから、円安になると輸入品が高くなるというデメリットがあります。
しかし、1ドルで販売していたリンゴの場合は、以前は80円しか得られなかったのに、100円で売れるようになります。
ですから、輸出品にとって円安は、稼げるようになるというメリットがあるのです。
円高と円安の注意点
1ドル=80円だった時。今度は例え話ではなく、実際の話です。
当時「円高だ!」とマスコミが騒いでいたのを覚えている方も多いでしょう。そして、現在(2015年11月)は1ドル=120円台で「円安になった!」と言われています。
ここで気を付けてほしいのが、『1ドル=80円=円高、1ドル=120円=円安ではない』ということです。
つまり、そのレート自体が、円高・円安を表すものではないのです。円高・円安というのは、ある時期と比較することで使われる言葉になります。
確かに1ドル=80円だった時期や、1ドル=100円だった時期と比較すれば、現在の1ドル=120円は円安であると言えます。しかし、もっとさかのぼっていくと、1ドル=150円の時もありましたし、1ドル=360円の固定相場制の時代もありました。
その当時と比較すれば、現在は「円高になった」と言えますよね。
ですから、円高と円安を考える際には、レートだけで判断しないように気を付けましょう。
まとめ
今回は「円高と円安の意味やメリット・デメリット」について解説してきました。
【円高】
- 円の価値が高くなった時(例:1ドル=100円から80円に下がった時)
- メリット:輸入品が安くなる
- デメリット:輸出品の利益率が悪くなる
【円安】
- 円の価値が低くなった時(例:1ドル=80円から100円に上がった時)
- メリット:輸出品の利益率が良くなる
- デメリット:輸入品が高くなる
判断のポイントは「円の価値がどうなるか?」ということです。数字だけを見ると逆に考えてしまいがちですので、悩んだ時には今回のような具体的な例を考えてみましょう。